歯のコラム

インプラントとは?治療の流れ・費用・他治療との違いも解説

こんにちは。品川区大崎、JR「大崎駅」南改札より徒歩5分にある歯医者「いばた歯科」です。

「歯を失ったとき、どのような選択肢がある?」と疑問を持っている方は少なくないと思います。そこでインプラント治療が選ばれる事が多くなってきました。

とはいえ、「インプラント」という言葉は知っていても、その具体的な治療法を詳しくご存じの方は少ないかもしれません。

そこでこの記事では、インプラントとは一体どのような治療なのか、その全体像を分かりやすく解説していきます。インプラント治療をご検討されている方は、ぜひご一読いただき、理解を深めるための一助としてください。

インプラントとは――「第3の歯」として注目される現代治療

インプラント

私たちが毎日食事や会話を楽しめるのは、健康な歯があるからこそです。しかし、むし歯や歯周病、ケガなど様々な理由で歯を失うことがあります。そんなとき、その「噛む力」や「自然な見た目」を回復できる方法として、近年急速に普及したのがインプラント治療です。

インプラント治療では、まず顎の骨の中に「人工歯根(インプラント体)」をしっかり埋め込み、その上に「人工の歯(上部構造)」を装着します。これにより、まるでご自身の歯のような噛み心地や美しい口元を取り戻すことができます。

このインプラント体は、生体親和性に非常に優れた「チタン」という金属で作られています。チタンは、体の中で拒絶反応を起こしにくく、さらに「オッセオインテグレーション」と呼ばれる骨との直接結合という特別な性質を持っています。手術後は骨と一体化することで、ぐらつくことがなく、安心して日常生活を送っていただけます。

インプラント治療は、「インプラント体の埋入手術」と「人工歯の装着」という2つの大きな工程からなり、いずれも高い専門性と経験を要します。従来の「入れ歯」や「ブリッジ」と違い、健康な隣の歯を削る必要がなく、顎の骨が痩せにくいという大きなメリットがあります。これによって、患者様自身の歯や骨をできる限り守り、長期的な口腔の健康を支えます

どのような歴史や技術の進歩があったのかを私なりに、解説します

ここで、インプラント治療がどのような歴史と進化を遂げてきたのか、少しご紹介しましょう。

現在の歯科インプラントの起源は、1952年、スウェーデンのルンド大学のブローネマルク博士による偶然の発見にさかのぼります。博士はチタンをウサギの骨に埋めて観察していた際、「チタンが骨とぴったり結合し、簡単には外れなくなる」という、それまで知られていなかった現象に気付きました。

この現象こそが「オッセオインテグレーション」(osseo=骨、integration=結合)です。博士は「この現象を活かせば、歯を失った人にも、骨と一体化する人工の歯の根っこ(インプラント)を作れるのでは」と考え、歯科分野の研究をスタートさせました。

その後、1965年には歯が1本もない患者様のあごに4本のチタン製インプラントを埋め込み、人工の歯を装着することに世界で初めて成功。このインプラントはその後も長期間しっかりと機能し、本格的な歯科インプラント治療の幕開けとなりました。

この成功をきっかけに、インプラント治療は世界中に広まり、今では入れ歯やブリッジに代わる新たな選択肢として、高い成功率と安全性が確立され、私たち歯科医療の現場でも標準的な治療法となっています

インプラント治療が向いている人、難しい人

インプラント治療した女性の口元

ここでは、どのような方がインプラント治療に適しているのか、また治療が難しいケースや年齢・全身疾患との関係について詳しく解説します。

インプラント治療が向いている人

インプラント治療は、失った部分の顎の骨が十分に残っている方に特におすすめです。従来のブリッジのように健康な歯を削る必要がないため、「自分の歯をこれ以上削りたくない」「将来の健康も守りたい」という方には最適です。

また、「入れ歯がどうしても合わない」「装着時の違和感や痛みで食事や会話がしにくい」といったお悩みをお持ちの方も、インプラントならしっかり固定され、天然歯に近い安定した咬み心地を得ることができます

インプラントは、顎の骨としっかりと結合する性質(オッセオインテグレーション)があるため、咬んだ時にぐらつきが少なく、天然歯に近い安定した咬み合わせを実現できます。

インプラント治療が難しい人

一方、全ての方がインプラント治療を受けられるわけではありません。たとえば、重度の糖尿病や骨粗しょう症、心臓疾患など重い持病がある方は、術後に感染が起こりやすかったり、骨とインプラントの結合が難しい場合があります。

また、顎の骨が著しく痩せている方や重度の歯周病が進行している場合は、まずその治療や骨の再生治療が必要です。いずれの場合も、全身状態やお口の状態を丁寧に診断したうえで、安全性を最優先に治療計画を立てることがとても大切です

年齢や全身疾患との関係

インプラント治療は、成長がほぼ終わる18歳前後からご高齢の方まで、幅広い年代の患者様に適用可能です。大切なのは年齢そのものではなく、「全身の健康状態」です。

高齢であっても、健康状態が安定していれば安全にインプラント治療を受けられるケースが多いです。逆に、持病や服用しているお薬の内容によっては、治療の進め方を調整する必要があります。必ずご自身の健康状態や服薬歴を担当医にお伝えいただくことが、より安全な治療への第一歩です

インプラント治療と他の歯科治療の違い

インプラント治療と他の歯科治療の違いについて説明する歯科医師

ここでは、インプラント治療と他の歯科治療の違いについて、具体的に解説します。

入れ歯との違い

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、骨としっかり結合することで、天然歯に近い噛み心地や安定感を得られます。外科手術を伴う分、違和感やずれの心配が少なく、食事や会話も快適です。

一方、入れ歯は歯ぐきや残っている歯に装着する治療で手術は必要ありませんが、どうしても動いたり外れたり、違和感を覚えることがあり、慣れるまで苦労する方も少なくありません。

どちらの治療法でも、お口の健康維持には毎日のケアや定期的なメインテナンスが欠かせません

ブリッジとの違いと特徴

ブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を削って支台にし、連結した人工歯を装着する方法です。外科手術は不要で治療期間も比較的短いですが、支台歯に負担がかかりやすく、虫歯や歯周病リスクが高まることもあります。

一方インプラントは、健康な歯を削ることなく、失った部分だけに人工歯根を埋めて独立して機能するのが大きなメリット。全身や骨の状態によって適応が異なるため、担当医とよく相談し、ご自身に最適な治療法を選ぶことが大切です

ただし、インプラントは外科手術を伴うため治療期間が長くなることもあり、全身状態や骨の状態によっては適応が限られる場合もあります。

ブリッジの場合、支えとなる歯(支台歯)に負担がかかりやすく、清掃がやや難しくなるため、長期的に見ると虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性もあります。

それぞれの治療法には利点と課題がありますので、ご自身のお口の状態やご希望に応じて最適な選択をしていくことが大切です。

差し歯との違いと特徴

差し歯は、歯の根が残っている場合に、根を利用して土台を作り、人工の歯冠を被せる治療法です。根管治療や土台の強度が大事ですが、歯根が失われていると適用できません。

その点、インプラントは歯根ごと失った場合でも対応できる治療です。どちらの治療も、定期的な検診と毎日の丁寧なケアが長持ちのコツです。

差し歯治療では、根管治療や土台の強度・保存状態が非常に重要です。インプラント治療では、顎の骨の量や質、全身の健康状態が成功のカギとなります。

いずれの場合も、定期的な歯科検診やプロによるメンテナンス、そして毎日の丁寧なセルフケアが長持ちのポイントとなります。

インプラント治療のメリットとデメリット

インプラント治療のメリットとデメリットのイメージ

ここでは、インプラント治療の主なメリットとリスクについて、具体的に解説します。

インプラント治療のメリット

インプラント治療最大の魅力は、まるで自分の歯のような噛み心地・美しさ・快適さを取り戻せる点です。チタン製インプラントはしっかり固定され、違和感やぐらつきがなく、長期間にわたり安定した口腔環境を維持できます。

さらに、健康な歯を守りながら失った歯だけを補うことができるのも、インプラント治療ならではの大きな利点です。

インプラント治療のデメリット

一方で、外科手術を伴うため、術後の腫れや痛み、感染症リスクもあります。骨の状態によっては追加手術(骨造成など)が必要な場合も。

また、セルフケア不足やメインテナンス不良が続くと、インプラント周囲炎(インプラント周囲の炎症)が進行し、インプラント脱落の原因になることもあります。

治療の利点だけでなく、リスクや注意点もしっかり理解した上で、納得のいく治療選択をしていただくことが大切です

インプラント治療の流れと期間

インプラント治療のためにレントゲンで説明を受ける様子

ここでは、インプラント治療の具体的な流れや期間について詳しく解説します。

初診から治療計画までの流れ

最初にカウンセリングと精密検査を行い、歯科用CTやレントゲン、口腔内スキャナーでお口全体や骨・神経・血管の状態を詳細に診断します。虫歯や歯周病があれば、まず治療し、ベストな口腔環境を整えます。

手術の内容と回数

局所麻酔下でインプラント体を埋め込み、数ヶ月かけて骨としっかり結合するのを待ちます。骨が足りない場合は骨造成など追加手術も考慮します。1回法・2回法という術式の選択は、お口や骨の状態により異なります。

治療完了までにかかる期間の目安

初診から最終的な人工歯の装着まで、おおよそ2~4ヶ月が目安す。骨造成や全身管理が必要な場合は期間が延びることもあります。

インプラント治療の費用と保険適用

インプラント治療にかかる費用のイメージ

ここでは、インプラント治療の費用と保険適用について解説します。

インプラント治療の費用相場

インプラント治療の費用は、1本あたり約30~50万円が相場です。この中には、インプラント体や人工歯、手術・診断料などが含まれます。埋入本数や材料、骨の状態、追加手術の有無、歯科医院によって費用は異なるため、事前に必ず見積もりをお受け取りください

インプラントは原則として自由診療ですが、先天性疾患や外傷による顎骨欠損など、特定条件を満たす場合に保険適用となることもあります。

医療費控除の対象となる場合も多いため、治療費の領収書は必ず保管し、確定申告の際はご相談ください

費用に影響する主な要素

インプラントの費用は、埋入する本数や部位、顎の骨の量や質、そして骨造成手術(GBRやサイナスリフトなど)が必要かどうかによって変わります。

また、治療計画の立案、CT撮影などの精密検査、使用するインプラントメーカーによっても費用に差が出ることがあります。

保険適用の条件と医療費控除の活用

インプラント治療は原則として自由診療(自費診療)ですが、先天的な疾患や外傷による顎骨欠損など、特定の条件を満たす場合には保険適用となるケースもあります。詳細は歯科医院でご相談ください。

また、インプラント治療の費用は医療費控除の対象となる場合が多く、確定申告を行うことで所得税の還付を受けられる可能性があります。

治療費の領収書は必ず保管し、医療費控除についても歯科医院にご相談いただくと安心です。

まとめ

インプラント治療をした口元を鏡で確認して笑顔を見せる女性

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を天然歯に近い形で回復できる先端治療です。入れ歯やブリッジとは違い、周囲の健康な歯を守り、安定した咬み心地と美しい口元を実現できます。

治療を検討される際には、お口や全身の状態・ご希望をしっかり歯科医師と共有し、「納得できる治療法」を選ぶことが大切です。

当院「いばた歯科」では、患者さん一人ひとりに寄り添った丁寧なカウンセリングと、生涯を見据えた質の高い歯科治療を心がけております

インプラント治療を検討されている方は、品川区大崎、JR「大崎駅」南改札より徒歩5分にある歯医者「いばた歯科」にお気軽にご相談ください。当院では、丁寧なカウンセリングを重視しており、生涯を見据えた歯科治療を提供しています。

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