インプラント治療に年齢制限はある?高齢者や若い方が受けられない理由
こんにちは。品川区大崎、JR「大崎駅」南改札より徒歩5分にある歯医者「いばた歯科」です。

歯を失った際の治療法として、インプラントは非常に人気の高い選択肢です。見た目の自然さや噛む力の回復といった点から、多くの方に選ばれています。
しかし、インプラント治療を検討するうえで気になるのが、年齢による制限ではないでしょうか。特に、高齢の方やまだ若い方の場合「自分でも受けられるのか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、インプラント治療に年齢制限はあるのか解説します。年齢以外に治療の可否に影響する要素もご紹介しますので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療とは

インプラント治療とは、歯を失った部分に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。インプラント体は主にチタンなどの生体親和性の高い金属でできており、顎の骨と結合することでしっかりと固定されます。
この構造により、天然の歯と同じような噛み心地と安定性が得られます。また、ブリッジのように隣の歯を削る必要もなく、入れ歯のような違和感も少ないという特長があります。見た目も自然で機能面でも優れていることから、自費診療であっても選ぶ方が増えています。
ただし、外科的な処置が必要なため、全身の健康状態や顎の骨の状態などが重要な判断材料になります。
インプラント治療に年齢制限はある?

インプラント治療を検討するうえで、多くの方が気になるのが年齢制限の有無ではないでしょうか。結論から言うと、インプラント治療には、法律で定められた明確な年齢制限は存在しません。
実際の歯科医療の現場では、年齢よりも顎の骨の成長や健康状態が重要視されます。例えば、まだ成長期にある10代の若年者は、顎の骨の発達が終わっていないことが多く、治療が適さないと判断される場合があります。一方で、体調が安定していて口腔内の状態が良好であれば、高齢者であってもインプラント治療が可能なケースがあります。
高齢者や若い方がインプラント治療を受けられない理由

高齢者や若い方がインプラント治療を受けられない理由は、以下のとおりです。
骨の成長が安定していない
若い方がインプラント治療を受けられない主な理由は、あごの骨がまだ成長過程にあることです。インプラントは顎の骨に固定するため、成長中の骨に埋め込むと位置がずれてしまう可能性があります。見た目や噛み合わせに悪影響を与える可能性があるため、顎の骨の成長が終わってから治療を検討するのが一般的です。
インプラントと骨が結合しにくい
インプラントは顎の骨としっかり結合することで安定しますが、高齢の方の場合、骨密度が低下しているとインプラントとの結合がうまくいかないことがあります。特に、骨粗しょう症の傾向がある方は骨がもろくなっているため、インプラントがうまく固定されなかったり、治療後に脱落するリスクが高まります。
また、骨の再生力が低下していると、手術後の回復が遅くなることもあります。そのため、治療前には顎の骨の状態をしっかり検査し、必要に応じて骨造成手術などの追加処置を行うことが検討されます。
治療後のセルフケアが難しい
インプラント治療は、手術をして終わりではありません。治療後もインプラントを健康に保つために、毎日しっかり歯磨きをしたり、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けたりすることが必要です。特に高齢の方の場合、手先が動かしづらかったり、体力的に通院が大変だったりして、お口のケアが思うようにできないこともあるでしょう。
また、認知症などによって、自分でお口の中を清潔に保つことが難しくなると、インプラントのまわりに炎症が起こる可能性もあります。
全身疾患がある
高齢者の場合、糖尿病や高血圧、心疾患、骨粗しょう症などの慢性的な病気を抱えていることが多く、その状態によってはインプラント手術が難しくなるケースがあります。これらの疾患がインプラント治療に影響を与えるのは、主に体の回復力や免疫力、骨の健康状態などが関係しています。
たとえば、糖尿病があると傷の治りが遅くなりやすく、手術後の感染リスクが高まる傾向があります。また、服用している薬が骨の代謝や血液の流れに影響を与えることもあるため、慎重に判断しなければなりません。
ただし、適切に病気がコントロールされており、歯科医師と主治医が連携を取ればインプラント治療を受けられるケースもあります。年齢だけではなく、全身の健康状態をよく確認することが大切です。
服用している薬がある
高齢の方は、糖尿病や高血圧、骨粗しょう症など慢性的な病気を抱えていることが多く、それに伴って服用している薬も多岐にわたります。そのなかには、インプラント治療に影響を与えるものもあります。
たとえば、骨粗しょう症の治療薬に使われるビスフォスフォネート製剤は、インプラント手術後の骨の治癒を妨げることがあるため注意が必要です。また、血をサラサラにする薬を服用している場合、手術時の出血が止まりにくくなる可能性が考えられます。
薬の影響を正しく把握するためにも、治療前には必ず服用中の薬を歯科医師に申告し、内科の医師とも連携を取りながら慎重に治療計画を立てることが大切です。
インプラント治療を受けられない方

インプラントは多くの患者さまに選ばれている治療ですが、中には身体の状態や生活習慣などの理由により、治療が難しいと判断される場合もあります。ここでは、治療を受けられない主なケースを詳しく解説します。
喫煙習慣がある
喫煙は、インプラント治療の成功率を大きく下げる要因です。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させ、血流を悪化させるため、インプラントと顎の骨が結合する過程に悪影響を及ぼします。
また、術後の回復も遅れやすく、感染リスクも高まることがわかっています。そのため、多くの歯科医師が治療前後の禁煙を強く勧めており、喫煙習慣がある方には慎重な判断が求められます。
妊娠している
インプラント治療中には、レントゲン撮影や局所麻酔、さらには手術による身体への負担が伴います。これらは妊娠中の体に影響を及ぼす可能性があるため、基本的には妊娠中の治療は避けることが推奨されます。特に、妊娠初期や後期は胎児の発育に影響を与えるリスクを考慮する必要があります。
治療を検討している場合は、出産後まで待つのが安心でしょう。
免疫力が低下している
免疫力が低下している方も、インプラント治療を受けるにあたって慎重になる必要があります。年齢や持病、体質によって免疫機能が弱まると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、インプラントの周囲に炎症が起きやすくなるリスクも高まります。
特に、糖尿病やがん治療中の方、または高齢で体力が落ちている方などは、治療後のケアが不十分になりやすく、インプラントの定着がうまくいかない場合があります。
顎の骨が少ない
インプラントは顎の骨に埋め込んで固定する構造のため、十分な骨の厚みと高さが必要です。しかし、歯を失ってから長期間経過している場合や、もともとの骨の量が少ない場合には、インプラントを安定して支えられないことがあります。
このようなケースでは、骨造成と呼ばれる骨を増やす処置を行うこともありますが、手術の負担や成功率などを含めて慎重な判断が求められます。
清潔な口腔内環境を維持できない
インプラントは人工物であるため虫歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきや骨には炎症が起こることがあります。インプラント部分に細菌がたまると、インプラント周囲炎という病気を引き起こし、最終的にはインプラントが抜け落ちる可能性もあります。口腔内を清潔に保てない方は、インプラント治療を受けたあともこのようなリスクが高くなります。
毎日しっかりと歯磨きをすることはもちろん、歯科医院で定期検診やクリーニングを受けることも、インプラントを長持ちさせるうえでとても重要です。
インプラント治療を受ける際の注意点

インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎という歯周病に似た炎症が起こることがあります。これは、インプラントの周りにプラーク(歯垢)がたまって発生し、進行するとインプラントを支える骨が溶けてしまうこともあります。
このようなトラブルを防ぐためには、毎日の丁寧なセルフケアと、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラント治療を成功させるためには、術後のケアが非常に重要です。
また、インプラント治療は一度の通院で終わるものではありません。一般的には、手術後にインプラントと骨がしっかり結合するまでに数ヶ月を要します。全体の治療期間はおおむね3か月から半年程度ですが、骨の状態によってはさらに時間がかかることもあります。
さらに、インプラントは健康保険が適用されない自由診療となるため、治療費が高額になる場合があります。1本あたりの費用は30〜50万円が相場です。治療を検討する際には、費用面も含めて十分に検討する必要があるでしょう。
まとめ

インプラント治療は、見た目や噛み心地の自然さから多くの方に選ばれている治療法です。しかし、誰もが受けられるわけではなく、年齢や全身の健康状態、生活習慣などによっては治療が難しいケースもあります。特に、成長期の若年者や全身疾患を抱える高齢者は慎重な判断が必要です。
また、インプラントを長く快適に使い続けるためには、日々の口腔ケアや定期的なメンテナンスも欠かせません。まずは信頼できる歯科医院でしっかり相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。
インプラント治療を検討されている方は、品川区大崎、JR「大崎駅」南改札より徒歩5分にある歯医者「いばた歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、丁寧なカウンセリングを重視しており、生涯を見据えた歯科治療を提供しています。当院の診療案内ページはこちら、お電話による予約も受け付けております。

■この記事の監修者
井畑 信彦
経歴
- 1985年 日本歯科大学 卒業、東京大学医学部 口腔外科にて研鑽、埼玉医科大学 形成外科にて研鑽
- 1999年 東京大学大学院 医学系研究科 口腔外科学 修了
- 1999年 いばた歯科 開業(東京都品川区)
- 2001年 埼玉医科大学 形成外科学 専攻生 修了
口腔外科・形成外科で培った解剖学的理解、外科的安全性、審美的配慮が、現在の精密歯科治療の基盤となっています。
所属機関
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 専門医
- AO(Academy of Osseointegration/米国インプラント学会)アクティブメンバー
- EAO(European Association for Osseointegration/欧州インプラント学会)アクティブメンバー
- ITI(International Team for Implantology)メンバー
- CIDクラブ(Center of Implant Dentistry Japan)会員
- 一般社団法人 日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)指導医
- ISCD(International Society for Computerized Dentistry)国際インストラクター
- 日本審美歯科学会 会員
- 日本顎咬合学会 認定医
- EPA(European Prosthodontic Association/欧州補綴学会)アクティブメンバー
- デジタル歯科学会 会員