歯科用CT(モリタ社製 3DX マルチイメージ マイクロCT)

「三次元の眼」で見えないものが見えるように
当院が「本当に意味のある治療選択肢」を患者様に示すために、その根幹として導入しているのが、このモリタ社製の高性能歯科用CT「3DX」です。
従来の一般的な歯科用レントゲンは、二次元の平面的な絵に過ぎませんでした。
そのため、歯や骨が重なり合った部分の裏側、複雑に分岐した神経の走行、微細な骨の破壊の程度などを正確に把握することは困難であり、術者の「経験」や「勘」に頼らざるを得ない場面も少なくありませんでした。
しかし、歯科医療とは本来、科学的根拠に基づいて行われるべきものです。
この歯科用CTは、お口の中の情報を三次元の立体画像として再構成し、これまで「見えなかった」ものを、あらゆる角度から「見える化」することを可能にします。
顎の骨の厚みや密度、神経や血管の正確な位置、歯の根の複雑な形態、病巣の三次元的な広がり。
これらの情報を0.1ミリ単位の精度で客観的に把握すること。
それこそが当院が掲げる「診断力」の原点であり、すべての安全で精密な治療の揺るぎない土台となるのです。

あらゆる精密治療を支えるCT診断の活用


CTによって得られる膨大で精密な三次元情報は、当院が行うほぼすべての高度な歯科治療において、羅針盤として機能します。

インプラント治療における安全性と確実性の追求
インプラント治療の安全性は、術前のCT診断によってその9割以上が決定されると言っても過言ではありません。
二次元のレントゲンでは決してわからない顎の骨の「幅」や「密度」を正確に計測し、神経や血管の位置を立体的に特定します。
これにより、万が一にも神経を損傷するといった偶発的な事故を限りなくゼロに近づけることができます。
さらに、当院ではこのCTデータと後述する口腔内スキャナーの3Dデータをコンピューター上で重ね合わせ、理想的な埋入位置をシミュレーションします。
そして、その計画を寸分の狂いなく再現するための「サージカルガイド」を全症例で製作します。
CT診断は、この安全で予知性の高いデジタルインプラント治療に不可欠な第一歩なのです。

根管治療・破折歯治療における歯の保存可能性の追求
当院が掲げる「できる限り歯を抜かずに残す」という理念を技術的に支えているのも、このCT診断です。
歯の根の治療(根管治療)が失敗する原因の多くは、見逃された余分な根管(副根管)や複雑な形態の根管内部の汚染物質の取り残しにあります。
CTは従来のレントゲンでは見つけられなかった、そうした複雑な根管の形態や膿の袋(根尖病巣)の正確な広がりを白日の下に晒します。
また、「歯が割れている(破折している)」疑いがある場合にも、CTは絶大な威力を発揮します。
肉眼やレントゲンでは確認不可能な歯根の内部に走る微細な亀裂(破折線)を発見し、その位置や深さを特定することで、破折歯接着治療が可能か否かをより正確に判断することができます。

埋伏歯(親知らず)や顎関節症の診断
例えば、横向きに生えている親知らず(埋伏歯)の抜歯は、顎の中を走る太い神経と近接している場合、高いリスクを伴います。
CTによって歯の根と神経の立体的な位置関係を術前に正確に把握することで、抜歯に伴う神経麻痺などのリスクを最小限に抑えた安全な治療計画を立案できます。
また、顎関節症の診断においても、関節を構成する骨自体の変形や異常を三次元的に評価するために用います。

患者様のご負担を最小限に抑えた設計


このように歯科医師にとっては膨大な情報を与えてくれる歯科用CTですが、患者様のご負担は最小限に抑えられています。

低照射線量で安全性が高い
当院が導入している歯科専用CTは、医科用CTと比較して撮影範囲を診断に必要な最小限の領域に限定できます。
これにより、放射線の照射線量を数分の一から数十分の一というレベルにまで劇的に低減させており、身体への影響も極めて少ないものです。

短時間での撮影が可能
撮影自体は数十秒という非常に短時間で完了します。
患者様が長時間にわたって動かずに姿勢を保持していただく必要はなく、身体的なご負担もありません。
安全に、そして快適に、水準の精密な情報を得る。
この歯科用CTは私たちの「技術」と「寄り添う気持ち」を同時に体現する、医院の心臓部とも言える設備なのです。

3台の歯科用マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)

ミリ単位でしっかりと見る


「見えないものは治療できない」
「感覚や勘だけに頼る医療には限界がある」。
歯科医師として長年精密な治療を追求してきた私の偽らざる実感です。
従来の歯科治療は術者の「肉眼」、あるいは「ルーペ(拡大鏡)」という限られた視野の中で行われてきました。
しかし、お口の中、特に歯の内部にある根管や歯ぐきの奥深く、歯と被せ物の隙間といった領域は、非常に暗く狭く、そして複雑な構造をしています。

見えないリスクが治療を困難にする


肉眼では到底見ることのできない髪の毛よりも細い亀裂(マイクロクラック)。
レントゲンにも映らない隠された余分な根管(副根管)。
詰め物の下にわずかに残った感染の取り残し。
これらの「見えないリスク」こそが、治療後に痛みが再発したり数年後に二次的な虫歯になったりする根本的な原因となっていました。
従来の治療が術者の「経験」や「勘」に頼らざるを得なかったのは、この「見えない」という制約があったからに他なりません。
当院はこの歯科医療における根本的な課題を克服するため、「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」を用いた精密治療を医院の標準的な診療体制としています。
マイクロスコープは治療部位を肉眼の20倍以上にまで拡大し、さらに術野を明るく照らし出す強力な照明(同軸照明)によって、暗く狭い部分の影を消し去ります。
これにより、治療は「勘」に頼る作業から「確実な視認」に基づく精密な処置へと昇華されます。

マイクロスコープが実現する治療の「質」


マイクロスコープを用いることで具体的にどのような治療が可能になるのか。
それは当院が掲げる「歯の保存」や「再治療の防止」という理念のまさに根幹を成すものです。

1. 歯の寿命を守る「最小限の切削(MI)」
虫歯治療において歯を削る量は、その歯の将来の寿命を左右します。
マイクロスコープの拡大視野の下では、虫歯に侵された病変部と守るべき健康な歯質との境界が、ミクロン単位で明確に識別できます。
これにより、従来の治療のように「念のため」と大きく削る必要がなくなり、感染部位だけをピンポイントでかつ最小限に除去することが可能になります。
健康な歯質を1ミクロンでも多く残すこと。
それが歯の強度を保ち、将来の破折リスクを低減させるための重要な鍵となります。

2. 再発を防ぐ「精密な適合」
セラミックなどの詰め物や被せ物が長持ちするかどうかは、歯と修復物の「適合精度」で決まります。
被せ物の土台となる歯の形成(削合)をマイクロスコープ下で行うことで、その境界線(マージン)を段差や隙間のない極めて滑らかな状態に仕上げることができます。
デジタルスキャナーで読み取ったこの精密な土台に、院内のCAD/CAMシステムで製作した精密なセラミックが完璧に適合する。
この「精密な形成」と「精密な製作」の融合が細菌が侵入する隙間を物理的になくし、二次的な虫歯や歯ぐきの炎症を根本から防ぎます。

3. 歯を救う「精密根管治療」
歯の根の内部(根管)は直径1ミリにも満たない暗く複雑な迷路です。
マイクロスコープはこの根管治療において、まさに革命とも言える進歩をもたらしました。
肉眼では決して見つけられなかった隠れた追加の根管を発見し、根管内部の感染物質の取り残しをなくし、薬剤を隙間なく充填する。
「破折歯接着治療」においても微細な破折線を正確に特定し、汚染物質を徹底的に清掃・接着することが可能になります。
「もう抜くしかない」と診断された歯を救う最後の砦となる治療の多くは、このマイクロスコープなくしては成り立ちません。

4. 治癒を早める「低侵襲な歯周外科」
歯周病が進行し歯ぐきの奥深くの処置が必要になった場合や、歯ぐきの形を整える歯肉移植術(CTG)など、高度な歯周外科処置においてもマイクロスコープは不可欠です。
拡大視野の下で極めて細いメスや髪の毛よりも細い縫合糸を用いて、組織へのダメージを最小限に抑えた繊細な処置が可能になります。
これは術後の痛みや腫れを大幅に軽減し、傷跡がきれいで、より早い治癒を促すことにも繋がります。

当院の精密治療を支える3台のハイエンド・マイクロスコープ


当院ではこのマイクロスコープ治療を一部の特別な治療に限定していません。
すべての診療ユニットに世界最高水準の性能を持つハイエンドなマイクロスコープを3台設置し、日常的な診療の「標準装備」としています。
すべての患者様に対し、常に妥協のない品質の精密治療をお届けします。

1. カールツァイス社製 OPMI PROergo
ドイツが誇る世界的な光学機器メーカー「カールツァイス(Carl Zeiss)」社。
その歯科用マイクロスコープにおける最高機種の一つが、このOPMI PROergoです。
医療分野、特に眼科や脳神経外科といったミクロン単位の精度が求められる領域で、絶大な信頼を寄せられるツァイスのレンズは、他の追随を許さない圧倒的な「解像度」「焦点深度(ピントの合う範囲)」「明るさ」を誇ります。
特に歯の根の最も深い部分や破折線の微細な診断など、治療の成否がほんのわずかな「見える・見えない」の差で決まるような最も困難な症例において、このPROergoは術者にとって最強の「眼」となってくれます。

2. メーラー社製 ユニバーサ 300
カールツァイスと並び、1864年の設立以来、精密光学機器の分野で世界的に高い評価を受け続けるドイツの「メーラー(Möller-Wedel)」社。
その歯科用ラインナップにおけるハイエンドモデルの一つが「ユニバーサ 300」です。
この機種は、非常に優れた光学性能と、安定した操作性を両立させております。
カールツァイス機に比肩するクリアで明るい視野は、術者が必要とする情報を的確に映し出します。
当院では、このユニバーサ 300を、精密な虫歯治療(MI治療)、セラミック修復物のための精密な歯の形成(土台作り)、日常的な歯周外科処置など、幅広い精密治療における「標準機」として活用しています。
あらゆる治療の精度を、一段も二段も引き上げる、当院の精密治療に欠かせない存在です。

3. メーラー社製 アレグラ 330
「アレグラ 330」もまた、メーラー社の優れた光学系を受け継ぐ高性能モデルですが、この機種が持つ最大の特徴は、「可変鏡筒(バリアブル・アイピース)」という機能にあります。
これは、医師の疲労を最小限にし、治療の質を持続させるために、極めて重要な機能です。
根管治療や、複雑な破折歯接着治療、高度な歯周組織再生療法といった治療は、時には2時間以上にも及ぶ、術者の極度の集中力を要する繊細な作業です。
従来の顕微鏡のように、接眼レンズの位置が固定されていると、治療する歯の位置(例えば、上の奥歯など、見えにくい場所)に合わせて、無理な姿勢や窮屈な体勢での作業を強いられることになります。
この「無理な姿勢」が、首や腰に負担をかけ、疲労を蓄積させ、結果として、治療後半での集中力や、指先の精密さの低下を招くリスクとなっていました。
アレグラ 330の可変鏡筒は、常に背筋を伸ばした、最もリラックスした理想的な姿勢を保ったまま、接眼レンズの角度だけを自由に変えることができます。
これにより、どれほど長時間にわたる困難な治療であっても、術者の集中力とパフォーマンスが、治療の最初から最後まで、一切低下することがありません。
快適性のための機能ではありません。
歯科医師のコンディションを常に最高に保つことは、患者様にとって、確実な治療結果のための、重要な基盤となるのです。

カールツァイス社:OPMI PROergo
・世界最高水準の光学性能(解像度・明るさ)
・圧倒的な信頼性と実績
非常に困難な根管治療、微細な破折線の診断など「究極の解像度」が求められる最も精密な処置の実行。

メーラー社:Universa 300
・カールツァイスに比肩する優れた光学性能
・堅牢で安定した操作性
精密な虫歯治療、セラミックの精密形成、歯周外科など日常のあらゆる精密治療の標準機。

メーラー社:Allegra 330
・優れた光学性能
・可変鏡筒による術者の疲労軽減
長時間に及ぶ複雑な根管治療や高度な歯周外科手術など「持続的な集中力と精度」が求められる治療の実行。

CEREC(セレック)システム(ドイツ デンツプライシロナ社製)

たった一日で完治まで「1Dayトリートメント」
「速さ」は、患者様の時間を守るだけでなく、歯の寿命を守るためでもあります
「歯の治療は、型取りをして、仮歯を入れて、一週間後に完成品を装着する」
「その間、仮歯が取れたり、しみたりするのを我慢しなければならない」
「何度も通院しなければならないのが、とにかく大変だ」

当院が導入している「CEREC(セレック)システム」は、そのようなこれまでの歯科治療の常識を根本から覆す先進のデジタルソリューションです。
CERECとは「スキャン(3D歯型採り)」「設計(CAD)」「製作(CAM)」という、セラミックの詰め物や被せ物を製作するための一連の工程をすべてデジタルデータで完結させ、院内で実行するシステムです。
これにより、症例によっては朝にご来院いただき、歯の治療(虫歯除去・形成)から最終的なセラミックの装着までを、その日のうちにたった1回のご来院で完了させる「ワンデイトリートメント(即日修復治療)」が可能になります。
この革新的なシステムは、当院が2006年という日本のデジタル歯科の黎明期から導入し、日本臨床歯科CAD/CAM学会の設立にも携わってきました。

CERECは、単に「通院回数が減って時間が節約できる」という利便性だけではありません。
「即日」で治療を完了させることには、患者様の歯の健康を守る上で極めて重要な医学的な意味があります。

なぜ「即日」が良いのか? 細菌感染リスクを最小限にする医学的理由


CERECは、単に「通院回数が減って時間が節約できる」という利便性だけではありません。 最も重要なのは、「仮歯の期間」をなくすことによる、歯の保護効果です。
従来の治療法では、歯を削ってから最終的な被せ物が出来上がるまでの約1週間、プラスチック製の「仮歯」で過ごす必要がありました。
しかし、仮歯はどれほど精密に作ってもあくまで「仮」のものです。
唾液や細菌が隙間から侵入することを完全には防げません。
歯を削った直後の無防備でデリケートな象牙質が細菌にさらされるこの期間こそが、実は治療後に痛みが再発したり、数年後に二次的な虫歯になったりする大きなリスク要因となっていました。
CERECによる即日治療では、歯を削った最も新鮮でクリーンな状態の接着面に、その日のうちに精密なセラミックを強力な接着剤で完全に封鎖(接着)します。
これにより、細菌が侵入する隙間や時間を一切与えず、治療の長期的な成功率を飛躍的に高めることができるのです。

高精度な適合、身体への優しさ
世界最高峰のスキャナーによる「不快な型取りからの解放」 当院では、「Primescan(プライムスキャン)」や「3Shape TRIOS(トリオス)」といった、世界最高水準の口腔内スキャナーを導入しています。
小型のカメラをお口の中に入れるだけで、瞬時に歯の形状をデジタル化します。
粘土のような材料をお口に入れる従来の不快な歯型採りは必要ありません。
嘔吐反射が強い方でも、ストレスなく快適に型取りを終えることができます。
AIと熟練の技術が融合した「ミクロン単位の適合」 スキャンして得られたデジタルデータは、石膏模型のように変形したり欠けたりする物理的な誤差が一切ありません。
この極めて精密なデータを基に、AI(人工知能)が歯の形を提案し、さらにCAD/CAM学会指導医である院長や熟練の技工士が、噛み合わせや隣の歯との微調整を設計(デザイン)します。
それをミリングマシンが削り出すため、歯と修復物の間にほとんど隙間のない、ミクロン単位の完璧な適合を実現します。

「歯を守る」ための高品質なセラミック材料
使用するのは工場で規格生産された高品質なセラミックブロックのみです。
当院では特に、「VITA ENAMIC(エナミック)」のような、天然の歯に近い「硬すぎず、しなやかな弾性」を持つハイブリッド素材も採用しています。
噛み合う歯を傷つけず、万が一強い力がかかった際もご自身の歯根が割れるのを防いでくれる「歯に優しい」材料を選べることも、破折歯治療に力を入れる当院ならではのこだわりです。

クラスB滅菌器(ドイツ MELAG社製)

目に見えない部分の安全こそ、医療の基盤


当院の理念である「寄り添う気持ち」とは、単に優しく接することだけではありません。
患者様がご自身の目では直接確認することのできない部分にも世界最高水準の安全性を確保すること。
それこそが、医療機関としての最も誠実な「寄り添う気持ち」であると私たちは考えています。
歯科治療で使用する器具は、唾液や血液に触れ、非常に複雑な形状をしています。
これらの器具を介した交差感染のリスクを完全に断ち切るために、当院は滅菌機器にも世界基準を求めています。

ヨーロッパ最高基準「クラスB」をクリア


私たちが導入しているのは、滅菌技術の先進国であるドイツ・MELAG社製の「Vacuklav 31B+」、通称「クラスB滅菌器」です。
高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)は、その性能によって「クラスN」「クラスS」「クラスB」の3つの規格に分類されます。

滅菌器の3つの規格(EN13060)

・クラスB【世界最高水準】
あらゆる種類の細菌・ウイルスを死滅させます。
インプラント器具や歯を削るドリルなどの「複雑な内部」まで完全に滅菌可能です。
いばた歯科:◎ 導入済

・クラスS【特定用途】
メーカーが指定した特定の形状の器具のみ滅菌可能です。
(当院ではハンドピース専用滅菌器として併用)
いばた歯科:◎ 導入済

・クラスN【一般的】
包装されていない固形器具(ミラーなど)の滅菌に限られます。
日本の一般的な歯科医院で広く普及しているタイプです。
いばた歯科:ー


あらゆる細菌・ウイルスを完全に死滅させる「真空」の力


クラスB滅菌器が他のクラスと決定的に異なるのは、滅菌プロセスにおいて「真空」の状態を作り出す点にあります。
歯を削るドリル(タービン)や、複雑な構造を持つ器具の内部には空気が残りやすく、この「空気溜まり」が邪魔をして、滅菌のための蒸気が隅々まで行き渡らないことがあります。
クラスB滅菌器は、滅菌処理の前にチャンバー(庫内)の空気を強力なポンプで強制的に抜き取り、真空状態を作り出します。
その後、高温の蒸気を一気に注入することで、器具の内部の、いかなる微細な空洞や隙間の末端にまで蒸気を確実に行き渡らせることができます。

滅菌可能な範囲
これにより、以下のような器具に付着したすべての細菌とウイルスを完全に死滅・不活化させることが可能です。
・あらゆる形状の器具(包装されたもの、中空のもの、多孔質のもの)
・すべての細菌
・肝炎ウイルスやHIVウイルスを含む、あらゆる種類のウイルス

日本では、このクラスB滅菌器の普及率はまだ数%程度と言われています。
しかし、私たちは外科手術と同レベルの清潔さを求められる歯科治療において、これこそがグローバルスタンダードであると確信しています。
患者様の安全を守るという医療の原点において、私たちはこれからも一切の妥協をしません。

口腔外バキューム
(フリーアーム・アルテオ)

治療空間そのものをクリーンに保つ


歯科治療では、歯を削ったり、歯石を除去したりする際に目には見えない微細な「粉塵」や、唾液・血液を含んだ「飛沫(エアロゾル)」が空気中に飛散します。
これらの中には、虫歯菌や歯周病菌、あるいはウイルスといった感染性の物質が含まれている可能性があります。
患者様ご自身のお口の中を清潔にするのはもちろんのこと、治療を行う「空間」そのものを常にクリーンな状態に保ち、院内感染のリスクを最小限に抑えること。
それもまた、患者様と、そして私たち医療スタッフ自身の健康を守るために極めて重要な責務です。

発生源で瞬時に吸引


当院では、すべての診療ユニットに「口腔外バキューム」を設置しています。
これは、お口の中で使用する通常のバキューム(口腔内バキューム)とは別に、お口の外側、すなわち飛沫や粉塵の「発生源」のすぐそばに配置する強力な吸引装置です。
治療が始まると同時に、この口腔外バキュームが大きな吸引口で、治療に伴って飛散するエアロゾルや粉塵を、空気中に広がる前に瞬時に、かつ強力に吸い込みます。

口腔外バキュームの効果
・診療室内を常にクリーンな状態に保つ
・患者様が治療中に他の患者様やスタッフ由来の感染物質を吸い込んでしまうリスクを最小限に抑える
・独特の薬剤の匂いなども軽減し、より快適な治療環境づくりに貢献

特に、全室個室である当院の診療室において、この口腔外バキュームを併用することは、空間ごとの衛生レベルを最高度に保つための強力なソリューションとなります。
安心して、深呼吸のできるクリーンな環境で治療に専念していただけます。

タービン・ハンドピースの滅菌・メンテナンスシステム
(iClave mini2 / iCare)

衛生管理の「要」


歯科治療において、患者様のお口の中で歯を削るために高速回転する器具、それが「タービン」や「ハンドピース」です。
これらの器具は、唾液や血液がその内部にまで逆流しやすい、非常に複雑で微細な構造をしています。
もし、この器具の内部が不完全にしか洗浄・滅菌されていなければ、どうなるでしょうか。
それは、前の患者様の体液を次の患者様のお口の中に器具を介して運んでしまうことを意味し、院内感染における最大のリスクポイントとなります。
この「タービン類の使い回し」は、過去に社会問題としても取り上げられましたが、1本が非常に高価であること、そして滅菌に手間と時間がかかることから、いまだに患者様ごとの交換・滅菌を徹底できていない医院が残念ながら存在するのも事実です。

当院の「当たり前」患者様ごとの確実な交換と滅菌


当院では、開院以来の当然の責務として、タービンやハンドピース類を患者様お一人おひとり、使用するたびに必ず交換し、最高水準の滅菌処理を行うことを徹底しています。
そのために、私たちは専用の滅菌・メンテナンスシステムを導入しています。

iCare(自動洗浄・注油システム)
タービンは、滅菌処理の前に内部の微細な回路に至るまで完璧に洗浄し、メンテナンスを行う必要があります。
「iCare」は、人の手では不可能な器具の内部の洗浄・注油を、ボタン一つで、自動的かつ標準化された手順で完璧に行うための専用機器です。
これにより、器具の内部に残った汚染物質を確実に除去し、次の滅菌工程の効果を最大限に高めます。

iClave mini2(ヨーロッパ基準 クラスS準拠)
これは、タービンやハンドピースのような、複雑な中空構造を持つ器具を短時間で、かつ確実に滅菌するために開発された高性能な小型滅菌器です。
滅菌性能は、前述の「クラスB」に準ずるヨーロッパ基準「クラスS」をクリアしており、内部の隅々にまで蒸気を行き渡らせ、すべての細菌やウイルスを死滅させることが可能です。
「洗浄(iCare)」→「滅菌(iClave mini2)」→「患者様ごとの交換」
この、一切の妥協を許さないサイクルを日々、愚直に繰り返すこと。
コストや手間がかかったとしても、この「当たり前」を徹底的に守り抜くことこそが、患者様の安全と信頼に応える、私たちの医療の根幹であると信じています。

3種の先進レーザー
【痛みを抑え、治癒を促す光】

歯科治療と聞くと、「痛み」「不快な音」「出血」といったイメージを思い浮かべ、不安を感じられる方も少なくないかもしれません。
私たちは、そうした患者様の身体的・精神的なご負担を可能な限り軽減し、より安全で精密で快適な治療を実現するために、先進のレーザー治療機器を導入しています。
当院が一般的な歯科医院と大きく異なる点の一つが、単一のレーザーではなく特性の全く異なる3種類のレーザー(Er:YAG/CO₂/Nd:YAG)を常備し、治療の目的や症状に応じてこれらを「適材適所」で使い分けている点にあります。
レーザーには多くの種類があり、その光の波長によって反応する組織(水分、血液、色素など)や組織への到達深度が異なります。
一つのレーザーですべての治療を賄おうとすると、どうしても無理が生じたり十分な効果が得られなかったりする場面が出てきます。
それぞれのレーザーの特性を深く理解し、その能力を最大限に引き出すこと。
それこそが、私たちが目指す「低侵襲(身体への負担が少ない)かつ高精度」な治療を実現するための重要な鍵なのです。

レーザー治療がもたらす主なメリット


レーザー治療には、従来のメスやドリルを用いた治療法と比較して、以下のような患者様にとって多くの優れた点があります。

レーザーは多くの場合、麻酔の使用量を減らしたり麻酔自体を使用しなくても処置を行うことが可能です。
治療中の痛みが大幅に軽減されます。

レーザー光は組織を切開すると同時に、瞬時に血管を凝固させる作用(止血効果)を持ちます。
そのため、手術中の出血がほとんどなく、術者にとってもクリアな視野が確保でき、より安全で精密な処置が可能になります。

レーザーには細胞の活性化を促し、治癒を促進させる効果(創傷治癒促進)も期待できます。
メスによる切開に比べ、術後の痛みや腫れも少なく、傷跡がきれいに治りやすいのが特長です。

レーザーの光と熱は、虫歯菌や歯周病菌に対して極めて高い殺菌・消毒効果を発揮します。
歯周ポケットの内部や歯の根の内部といった、器具が届きにくい複雑な場所の細菌も根本から除去することが可能です。

当院が使い分ける「3種類のレーザー」とその役割


当院では、以下の3種類のレーザーをそれぞれの特性を最大限に活かす形で日々の診療に組み入れています。

1. Er:YAGレーザー(エルビウム・ヤグレーザー)
「水」に反応し、歯や骨を優しく処理する
3種類の中で唯一、水を爆発的に蒸散させる力で組織を処理します。熱の発生が極めて少なく、痛みを感じにくいのが特徴です。

・インプラント周囲炎の治療
このレーザーは、インプラント体(チタン)を傷つけたり溶かしたりすることなく、表面に付着した汚れや細菌だけを安全に除去できる数少ないレーザーです。インプラントを長く守るために不可欠なツールです。
・歯周病治療
歯根の表面を傷つけずに、歯周ポケットの奥深くにある歯石やバイオフィルムを分解・除去します。
・虫歯治療
不快な「キーン」という音や振動を与えず、虫歯の部分だけをピンポイントで除去します。

2. Nd:YAGレーザー(ネオジム・ヤグレーザー)
「深部」へ到達し、根管や歯ぐきの奥を殺菌する
水への吸収性が低く、組織の「深部」にまで光が届く特性を持っています。器具が届かない場所の殺菌に威力を発揮します。

・精密根管治療
歯の根の内部(根管)は複雑な迷路のようになっています。マイクロスコープでも器具が届かない「側枝(細かい枝分かれ)」や象牙質の奥に入り込んだ細菌に対し、透過性の高いレーザーを照射して徹底的に殺菌します。再発を防ぐための切り札です。
・歯周ポケット内部の殺菌
歯周病菌が集まるポケットの深部へ照射し、熱作用で細菌を死滅させ、歯ぐきの炎症を内側から鎮めます。
・知覚過敏の処置
歯の表面を熱凝固させることで、しみる症状を緩和させます。

3. CO₂レーザー(炭酸ガスレーザー)
「表面」に作用し、止血と治癒を促進する
組織の表面でエネルギーが吸収されるため、「切る」「止める(止血)」能力に優れています。

・歯肉切除・形成
歯ぐきの形を整える処置や、小帯(スジ)の切除に用います。出血がほとんどなく、メスで切るよりも圧倒的に治癒が早いです。
・口内炎・メラニン除去
口内炎の表面を焼いて痛みを消したり、歯ぐきの黒ずみ(メラニン色素)を除去して健康的なピンク色に戻す審美的な処置にも使用します。

口腔内スキャナー

不快な「歯型採り」を過去のものへ


「歯型採り」と聞くと、多くの方があの冷たくて粘土のような材料(印象材)がお口いっぱいに広がる不快な感覚を思い出すかもしれません。
特に嘔吐反射(えずく反射)が強い方にとっては、あの数分間は歯科治療の中でも特に苦痛な時間であったことでしょう。
当院はそのような患者様のご負担と、アナログ作業ゆえの不確実性の両方を過去のものとするために、「口腔内スキャナー」による光学的なデジタル印象採得を標準的な診療プロセスとしています。
口腔内スキャナーとは、先端に搭載された高性能な小型光学カメラで、お口の中をまるで動画を撮影するようになぞっていくだけの装置です。
目の前のモニターには、ご自身のお口の中が寸分の狂いもない高精細なカラー3Dデジタルデータとして、リアルタイムで再構成されていきます。
従来の印象材のように、硬化するのを待つ必要も不快な味や匂いも一切ありません。
世界最高水準の機器を「4台」所有しています
当院はこの口腔内スキャナーを、単に導入しているだけではありません。
世界中のデジタル歯科を牽引する主要メーカーのハイエンドモデルを、合計4台体制で常備しています。

3Shape(スリーシェイプ)社製:「TRIOS 3」
3Shape(スリーシェイプ)社製:「TRIOS 5」
デンツプライシロナ社製:「Primescan(プライムスキャン)」
Medit(メディット)社製:「i700」

4台は各々役割が違います。
高名なシェフが最高の料理を作るために、一種類の包丁だけでなく柳刃包丁、出刃包丁、牛刀と用途に応じてそれぞれの「本物」を使い分けるのと同じように、これらのハイエンドスキャナーにもそれぞれ得意とする領域、際立った個性があります。
デジタル歯科の先駆者として、長年これらの機器と向き合ってきた私たちだからこそ、患者様一人ひとりのお口の状態や治療のゴール(セラミック治療、インプラント治療、マウスピース矯正など)に応じて、その瞬間に最も適した「デジタルの眼」を一切の妥協なく選択する。
そして複数の診療台で、同時に最高水準のデジタルスキャンを実行できる体制を整えています。

各機種の特徴と当院における「使い分け」


1. 3Shape社製:「TRIOS 3」および「TRIOS 5」
世界中の歯科医師から絶大な支持を得る、デンマーク・3Shape社のフラッグシップモデルです。
特に優れているのが、極めて高い色の再現性(シェードテイキング機能)です。
AI技術を用いて、スキャンするだけで天然歯の複雑な色調や透明感を客観的なデジタルデータとして正確に測定します。
また、スキャン体験そのものが非常にスムーズで高速であり、「TRIOS 5」は完全ワイヤレス化を実現し、術者の操作性と患者様の快適性をさらに高いレベルへと引き上げています。

当院での役割
・高度な審美セラミック治療
特に人目に触れる前歯のセラミック治療など、ミクロン単位の形態と繊細な色調の両方が求められる症例において、その真価を発揮します。
・インプラント治療計画
当院の安全なインプラント治療の核となる「サージカルガイド」を設計するための、高精度なデータ取得に使用します。
・マウスピース矯正
3Shape社の強力な矯正シミュレーションソフトとシームレスに連携し、治療計画の立案と患者様への「治療後の歯並び」の視覚的な説明に不可欠な役割を果たします。

2. デンツプライシロナ社製:「Primescan(プライムスキャン)」
当院が2006年から導入している「CERECシステム」の現行(最高機種)スキャナーです。
Primescanの圧倒的な強みは、その「スキャン深度の深さ」にあります。
1秒間に100万以上の3Dポイントを処理し、最大20mmの深さまで光が正確に到達します。
これにより歯ぐきの縁のさらに奥深くにある歯の形成面(マージン)や、インプラントを埋入した深い部分の状態も一度のスキャンで鮮明かつ正確に捉えることができます。

当院での役割
・CERECによる即日修復治療(ワンデイトリートメント)
CERECミリングマシン(加工機)との完全な連携により、「即日セラミック治療」の中核を担います。
スキャンから装着までを院内でシームレスに完結させます。
・精密な被せ物・インプラント治療
その卓越したスキャン深度を活かし、歯ぐきの下の深い部分に土台(マージン)がある難易度の高いセラミック治療や、インプラントのスキャンボディ(位置情報を記録する器具)を確実に読み取るために使用します。

3. Medit社製:「i700」
近年、世界的に急速な進化を遂げているMedit社の高性能モデルです。
「高速・高精度・軽量」という、スキャナーに求められる基本性能を極めて高いレベルでバランスさせています。
また、特定のシステムに縛られない「オープンシステム」であるため、当院が導入しているexocad(エキソキャド)などの様々な設計ソフト(CAD)や歯科技工所と、データを自由にかつ柔軟に連携できるのが大きな強みです。

当院での役割
・オールラウンドな汎用機
その高い基本性能と操作性、柔軟性から特定の治療に限定されず、日常的なセラミックの型取り、矯正治療のデータ取得、診断用模型のデジタル化など、あらゆる場面で活躍するデジタルワークフローの「入り口」としての重要な役割を担います。
・診療の効率化
複数の診療台で、同時に高精度なスキャンが求められる場面において、他のハイエンド機と遜色ないパフォーマンスを発揮し、医院全体の治療の質と効率を底上げします。

デジタル補綴 設計・加工システム

当院が掲げる「デジタル歯科治療」とは、単に一部の機材を導入することではありません。
それは口腔内スキャナーという「入り口」から、最終的な修復物という「出口」まで、すべての工程を一貫したデジタルデータで管理し、アナログな手法では到達不可能なレベルの「精度」と「品質」を追求する治療システムです。
その「出口」を司る、医院の心臓部。
それが、ここに揃う世界水準の「設計ソフトウェア(CAD)」と「加工機(CAM)」、そして「3Dプリンター」のラインナップです。
私は2006年という、日本のデジタル歯科の黎明期から、この分野の可能性を追求し、日本臨床歯科CAD/CAM学会の設立にも携わってまいりました。
その長年の経験から確信しているのは、「一つのシステムだけでは、すべての患者様に本当の最善を尽くすことはできない」ということです。

治療の設計図を描く 多彩なデザインソフトウェア(CAD)


すべての精密な修復物は、ミクロン単位で完璧に計算された「設計図」から生まれます。
当院では症例のゴールに応じて、以下の設計ソフトウェアを使い分けています。

1. CEREC(セレック)システム / inLab(インラボ)システム
デンツプライシロナ社(ドイツ)製。
当院のデジタル歯科の原点とも言える、世界で最も長い歴史と実績を持つCAD/CAMシステムです。

主な役割
特に「CEREC(セレック)」は、前項でご紹介した口腔内スキャナー「Primescan」や、後述する加工機(CERECミリングマシン)とシームレスに連携し、「即日修復治療(ワンデイトリートメント)」を実現するために最適化されています。
インレー(詰め物)や単冠(一本の被せ物)を院内で、迅速かつ高精度に設計・製作する際の強力な柱となります。
「inLab」は、より複雑な症例や、ブリッジ(連結した被せ物)などを設計するための、技工所向けの高性能ソフトウェアです。

2. TRIOS Design Studio / 3Shape Dental System
3Shape(スリーシェイプ)社(デンマーク)製。
口腔内スキャナー「TRIOS」と連動し、非常に直感的で高機能な設計が可能なシステムです。

主な役割
審美性を追求するセラミック治療はもちろん、インプラント治療や、マウスピース矯正治療の計画立案まで、一つのプラットフォームで統合的に管理できるのが強みです。
特にインプラント治療においては、CTデータとスキャンデータを重ね合わせ、「サージカルガイド」を設計し、さらにはその上に装着する「カスタムアバットメント(オーダーメイドの土台)」や、最終的な被せ物までを一気通貫で設計できる、当院の安全なインプラント治療に不可欠なソフトウェアです。

3. exocad(エキソキャド)システム
アマンギルバッハ社(ドイツ)製。
世界中の歯科技工士から絶大な支持を得ている、非常に自由度が高く、パワフルな設計ソフトウェアです。

主な役割
CERECやTRIOSがある程度パッケージ化されたシステムであるのに対し、exocadは術者や技工士のあらゆる「こだわり」を形にすることができます。
例えば天然歯が残っている反対側の歯の形態を、そのままミラー反転させて左右対称の自然な歯を設計したり、極めて複雑なインプラントブリッジの構造をミリ単位で追い込んだりすることが可能です。
当院が目指す究極のオーダーメイド審美治療や、難易度の高いインプラント補綴において、その真価を発揮します。

設計図を形にする 高精度加工機(CAM)と3Dプリンター


完璧な設計図も、それを正確に再現する「手」がなければ、絵に描いた餅に過ぎません。
ミリングマシンとは、その精密なCADデータを基に、ダイヤモンドのバーを用いて、セラミックやジルコニアといった材料のブロックを、ミクロン単位の精度で自動的に削り出す(Milling)機械です。
当院では、このミリングマシンも単一のメーカーやシステムに依存していません。
それは、削り出す「材料」によって、最適な加工戦略が全く異なるためです。
例えば、ダイヤモンドのように硬いジルコニアを精密に削る機械と、天然歯のようにしなやかなハイブリッドセラミック(ENAMIC)の特性を損なわずに削る機械とでは、求められる性能が違います。
私たちは、使用するすべての材料の特性を熟知した上で、その材料のポテンシャルを120%引き出すことができる、世界最高水準のミリングマシンを適切に使い分けています。

当院が導入する4台のミリングマシン
・CEREC ミリングマシン(デンツプライシロナ社)
信頼と実績の「即日修復」ソリューション
当院が2006年(平成18年)という早期から導入し、3000症例以上の実績を誇る「CERECシステム」の中核を成す加工機です。
その最大の使命は、患者様をお待たせしない「スピード」と「信頼性」です。
スキャンから設計、削り出しまでをシームレスに連携させ詰め物や被せ物をその日のうちに製作・装着する「1Dayトリートメント(即日修復治療)」を可能にします。
「仮歯」の期間をなくすことで細菌感染のリスクを最小限に抑え、通院のご負担を軽減します。
忙しい現代の患者様のご要望に応える、当院のデジタル治療の基盤です。

・Z4(vhf社)
高精度・高速を実現する「インプラント即日修復」
CERECが1Dayトリートメントの「基盤」であるならば、Z4は「ワンランク上の1Dayトリートメント」を実現するハイパフォーマンス機です。
毎分10万回転に達する超高速スピンドルが、「ウルトラHD」と称される極めて滑らかで高精細なセラミック修復物を最短10分という驚異的な速さで削り出します。
しかし、Z4の真価はセラミックだけでなく「チタン製アバットメント(インプラントの土台)」の院内加工に正式対応している点です。
これにより、インプラント治療においても患者様一人ひとりの歯肉のラインに合わせた理想的な「カスタムアバットメント」を即日製作することが可能になりました。
審美性と清掃性(将来のインプラント周囲炎予防)を格段に向上させる、当院のインプラント治療の質を支える一台です。

・セラミルモーション(vhf社)
複雑な形態を可能にする「5軸制御」の精密加工
CERECやZ4が「4軸加工」であるのに対し、このマシンは「5軸加工」に対応しています。
4軸では工具の届きにくい「アンダーカット(窪み)」が存在する複雑な形態も、5軸機は材料と工具を3次元的に自在に動かしあらゆる角度から精密に削り出すことができます。
当院では、特に複数歯にまたがる「ブリッジ」やチェアサイドマシンでは製作が困難な複雑な症例においてこのマシンを稼働させます。
その目的は「スピード」ではなく、修復物と歯の間にミクロン単位の隙間も許さない完璧な「適合」の追求です。
この精密な適合こそが、二次的な虫歯や脱離を防ぎ治療の「長期安定性」を実現するための鍵となります。

・セラミルマテック(アマンギルバッハ社)
最高難度の症例に応える「全自動・超高精度」フラッグシップ
当院のデジタル技工部門の「象徴」とも言える、最高峰の全自動ミリングマシンです。
36連の材料チェンジャーと27連のツールチェンジャー、自動クリーニング機能まで備え24時間、人間の手を介さずに稼働し続けます。
このマシンの圧倒的な能力は、セラミックやジルコニアはもちろん加工が最も難しいとされる「チタン」や「コバルトクロム」といった金属ブロックの精密加工を5軸制御で完璧に行える点にあります。
特許技術「Thrilling」により、チタンのブロックから「ワンピースアバットメント(継ぎ目のない土台)」を削り出すことも可能です。
これはインプラント補綴における最高峰の技術であり、審美性と強度の両方が極限まで求められる最も困難な症例において当院が「最適解」を出すための設備です。

3Dプリンター
・未来の「形」を造る、もう一つのデジタル技術
当院のデジタル歯科治療は、セラミックの「塊」から精密に「削り出す」ミリングマシン(切削加工機)だけではありません。
もう一つの重要な柱が、この「3Dプリンター」です。
ミリングマシンが「削り出し」の技術であるのに対し、3Dプリンターは液体の樹脂(レジン)に光を当て、一層一層精密に「積み重ねていく」技術です。
この技術が、従来の歯科医療では不可能だったレベルでの「安全性」と「精密なシミュレーション」を可能にし、当院の治療品質を根底から支えています。
当院では世界トップクラスの性能を持つドイツRapidshape(ラピッドシェイプ)社製と、米国Formlabs(フォームラブズ)社製の「Form 2」「Form 3」という、特性の異なる3種類のハイエンド3Dプリンターを複数台導入しています。
なぜ1台ではないのか。
なぜメーカーも方式も異なる機器を揃えているのか。
それは当院が掲げる「医療の質」への一切の妥協を許さない姿勢の表れであり、患者様お一人おひとりの治療目的に対して、常に「世界で最も適した」ソリューションを選択するためです。

3Dプリンターの特性と役割分担
・Rapidshape(ラピッドシェイプ)
ドイツRapidshapeは、歯科用DLP方式3Dプリンターのスペシャリストです。
DLP方式とは、プロジェクターで光を「面」として照射し一層ずつを瞬時に硬化させる技術で、レーザー(点)で描画するSLA方式よりも原理的に高速です。
Rapidshape社が他社と一線を画すのは、特許技術「フォースフィードバック・システム(FFS)」にあります。
これは造形中にかかる圧力をプリンター自身が検知し、Z軸の移動速度を常に「最速」に自動最適化する機能です。
その驚異的なスピードを活かし、当院の「全症例サージカルガイド」や「矯正用模型」といった高い生産性(スループット)と迅速性が求められる造形の「メイン機」として活躍します。

・Formlabs Form 3
Form 3が採用する「LFS(Low Force Stereolithography)」方式は、従来のSLA方式を革新的に進化させた技術です。
LFSの核心は、造形物がタンクの底から剥がれる際の「力(Force)」を最小限に抑える(Low Force)機構にあります。
従来のSLA(Form 2など)は、硬いタンク底から層を物理的に剥がすため、微細な部分に歪みの原因となる「ピールフォース」が課題でした。
Form 3のLFS技術は、タンクの底面が柔軟なフィルムになっておりそれが「しなる」ことで、この剥離力を劇的に低減します。
これにより造形物へのストレスが最小限になるため、従来のSLAでは難しかった極めて繊細なディテールの再現と吸い付くような滑らかな表面を実現します。
当院ではセラミック治療のシミュレーションモデルなど、ミクロン単位の「極めて高い精度」が要求される最も精密な造形物を担当します。

・Formlabs Form 2
デスクトップ3Dプリンターの世界標準を確立した、信頼性の非常に高い「名機」と呼ばれるモデルです。
世界中の歯科医療現場で最も多く使用され、その臨床データとノウハウが豊富に蓄積されています。
特にサージカルガイド用レジン「Dental SG」は、もともとForm 2のために最適化されて開発された経緯があり、その適合性と信頼性は折り紙付きです。
当院ではこのForm 2を特定のワークフローに固定化。
LFSやDLPといった新技術が登場する中でも、その「高い信頼性」と「確立された実績」を基盤に安定した品質の造形物を供給し続ける「信頼の基盤」として、当院のデジタルワークフローを支えています。

滅菌機能搭載ユニット(GC イオム アクア)

当院では患者様の安全を守るために、使用する器具の「滅菌」に一切の妥協を許さない体制を整えています。
世界最高基準の「クラスB滅菌器」や、歯を削るドリル(タービン)を患者様ごとに交換・滅菌するシステム(iClave / iCare)の導入は、その一環です。
しかし、歯科治療において患者様のお口に触れるのは、滅菌された器具だけではありません。
治療中に歯を冷却したり、お口をゆすいだりするために使われる「水」はどうでしょうか。
歯科医院の診療台(ユニット)の内部には、水を供給するための非常に細く長い「給水管路」が張り巡らされています。
一般的な診療ユニットでは、この管路の内部に水道水が滞留する時間帯が、どうしても発生してしまいます。
この滞留した水の中で細菌が増殖し、管路の内部にヌメリ状の「バイオフィルム」(細菌の膜)を形成してしまうことが、長年歯科医療における隠れた衛生管理上の課題とされてきました。
どれほど器具を完璧に滅菌しても、治療に用いる水そのものが汚染されていては、本当の意味での「安全な医療」とは言えません。

「見えない」部分の安全を科学的に管理する


当院が導入しているGC社製の診療ユニット「イオム アクア」は、この「水」の安全性という目に見えない問題に対して、科学的なアプローチで完璧な答えを出すために設計された先進のシステムです。
このユニットの核心は、独自の「給水管路洗浄システム」にあります。

銀イオンと過酸化水素水による強力な除菌
イオム アクアは単なる水道水ではなく、「銀イオン(Ag+)」を配合した低濃度の「過酸化水素水」を、専用の洗浄液として使用します。
過酸化水素水はそれ自体が強力な殺菌力を持ちますが、そこに高い抗菌持続力を持つ銀イオンを組み合わせることで、極めて高いレベルの除菌効果を発揮します。

管路の内部に「滞留」させるという発想
このユニットが画期的なのは、この専用の洗浄液を単に「流す」だけではない点です。
診療が終了すると、独自の洗浄システム「ツインターボクリーナーII」が作動し、ユニット内部のすべての給水管路をこの高機能な洗浄液で満たし、そのまま「滞留」させます。
つまり、夜間や休診日など診療が行われていない時間中も、常に管路の内部が銀イオンと過酸化水素水によって、継続的に洗浄・除菌され続けている状態を保つのです。