こんにちは。品川区大崎、JR「大崎駅」南改札より徒歩5分にある歯医者「いばた歯科」です。
顎関節症とは、顎の関節や周囲の筋肉に異常が生じることで、開口時や咀嚼時に痛みや違和感、音が鳴るなどの症状が現れる疾患のことです。「防ぎたいけれど原因がわからない」という方もいるのではないでしょうか。
今回は、顎関節症の主な原因や放置するリスク、予防法・治療法まで詳しく解説します。
顎関節症とは

顎関節症とは、顎の関節やそれに関連する筋肉に生じた異常によって、顎の動きが制限されたり、動かした際に痛みや違和感が生じたりする状態を指します。日本人の成人の約4割が顎関節症を経験すると言われており、決して珍しい疾患ではありません。
顎の関節は、上顎と下顎をつないでおり、食事や会話などの日常生活の多くの動作に関与しています。この関節に異常が生じると、口が開けづらくなる、関節から音がする、痛みを感じるなどの症状が現れるようになります。
顎関節症は、関節そのものの異常だけではなく、噛む筋肉や姿勢、生活習慣などが複雑に関係して発症します。そのため、一言で顎関節症といっても原因や症状は多様といえます。
顎関節症の主な原因

顎関節症は、さまざまな要因が複雑に絡み合って引き起こされると考えられています。ここでは、顎関節症の主な原因を解説していきます。
噛み合わせの不具合
上下の歯がうまく噛み合わない場合、片側だけで噛む癖がついたり、あごの動きが不自然になったりします。そうすると、顎関節や周囲の筋肉に負担がかかり、放置すると顎関節症を発症するリスクが高まるでしょう。
歯ぎしりや食いしばりなどの癖
無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、歯ぎしりをしたりすると、顎の筋肉に継続的な負荷がかかります。この負荷が筋肉や関節にダメージを与え、顎関節症の発症リスクを高めるのです。
歯ぎしりは就寝中に行われることが多いため、自覚していない方も少なくないでしょう。歯科医院での検査によって歯や顎にかかっている力の大きさなどを確認すれば、発症の一因であることに気づけます。
精神的ストレス
強い精神的ストレスを感じていると、あごの関節や周囲の筋肉が緊張し、関節に過剰な圧力がかかります。また、ストレスは歯ぎしりや食いしばりを引き起こす要因としても知られていて、顎関節症の発症にも関与しているといえます。
顎の使いすぎや無意識の習慣
日常生活の中でのちょっとした習慣や無意識の動作が、顎関節に慢性的な負担をかけることがあります。例えば、長時間にわたるスマートフォンの使用やパソコン作業による前傾姿勢では、首や顎に不自然な緊張が生じさせる原因です。
また、頬杖をつく、片側で噛むといった癖も、顎関節に偏った力を加える原因となり、長期的に見ると顎関節症の発症に関与する可能性もあります。
顎関節症を放置するリスク

顎関節症をそのままにしておくと、症状が悪化し、顎周囲だけではなく体全体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。早期に治療を開始することで、症状の進行を防げます。
ここでは、顎関節症を放置することで生じうるリスクについて詳しく見ていきましょう。
症状の悪化と慢性化
初期段階では軽いクリック音や違和感しかなかった方でも、放置すると痛みや開口障害が慢性化することがあります。症状が慢性化すると、日常生活の質が大きく低下し、治療にも時間がかかるようになる可能性があります。
歯や周囲組織への影響
顎関節の異常が長期化すると、上下の歯の噛み合わせにも影響を与えます。関節のズレや筋肉の緊張が、噛み合わせの不具合を引き起こすことがあるのです。
噛み合わせが悪化すると、顎の関節にも負担がかかるため、さらに顎関節症が悪化していく悪循環に陥る可能性も否定できません。
全身に影響が広がる可能性がある
顎関節症を放置していると、あご周辺の神経や筋肉の緊張が全身に波及し、肩こりや頭痛といった慢性的な不調を引き起こすことがあります。特に、筋肉の緊張が首や肩に及ぶと、血流が悪化し、姿勢の悪化や眼精疲労を招く恐れもあります。
日常生活への影響と生活の質の低下
顎関節症は日常生活にも大きく影響します。口が開けにくいために食事や会話がしづらくなると、人とのコミュニケーションに支障をきたし、精神的なストレスにもつながるでしょう。
また、顎関節症による痛みで食事内容が制限されるようになると、栄養バランスが偏る可能性があるだけでなく、生活の質が低下してしまうかもしれません。
顎関節症の治療法

症状の程度や原因によって異なりますが、基本的には保存療法が中心です。まずは痛みや不調の原因を取り除くことを目的とし、生活習慣の改善や簡単なストレッチなど、日常生活の中で取り組める対策を実施するのが一般的です。重症の場合や他の治療法で改善が見られない場合は、外科的な治療が検討されることもあります。
ここでは、代表的な顎関節症の治療法について詳しく解説します。
日常生活の改善とセルフケア
顎関節症の治療では、患者さまの日常生活を見直すことも重要です。硬い食べ物を避ける、ガムやキャラメルなどを噛まない、うつ伏せ寝を控えるなど、顎に負担のかかりにくい習慣を意識するようにしましょう。
また、ストレス管理も大きなポイントです。上述しましたが、ストレスが溜まると無意識のうちに歯を食いしばったり、顎に力を入れたりすることがあり、これが症状の悪化につながる可能性があります。そのため、リラクゼーション法や適度な運動も、治療の一部として取り入れることが大切です。
スプリント療法
スプリント療法は、就寝時にマウスピースを装着して、歯ぎしりや食いしばりによる顎関節への負担を軽減する治療法です。スプリントは柔らかい素材で作られた装置で、歯にぴったりとフィットするように作られています。
食いしばりや歯ぎしりで上下の歯が強くぶつかり合うのを防ぎ、顎関節へ加わる力を分散させることで痛みの軽減や関節の安静化を図ります。スプリント治療は、単独で行われることもあれば、他の治療法と併用されることもあります。
薬物療法
痛みが強い場合は、鎮痛剤の服用や湿布の使用が行われます。筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬や、睡眠の質を高める薬を使う場合もあります。
理学療法
顎関節症の症状を改善するために、理学療法が活用されるケースもあります。理学療法では、マッサージや温熱療法、超音波治療などをおこなって顎周辺の筋肉の緊張を緩和したり血流を促進したりします。
また、自宅では以下のような方法で顎周辺の筋肉をリラックスさせることができます。
- 入浴
- 温タオルでの温熱療法
- 軽いマッサージ
外科的治療(重症例)
重症例では、外科的治療が検討されるケースもあります。ただし、セルフケアや保存療法では症状が改善されない場合に検討し、基本的には外科的な治療以外での改善を目指します。
顎関節症を予防する方法

顎関節症は、生活習慣やストレス、歯ぎしりや食いしばりなどの癖が原因で発症することが多いです。しかし、正しい予防方法を実践することで、そのリスクを大幅に減らすことができます。
ここでは、顎関節症を予防する方法について解説します。
姿勢を改善する
猫背やうつむきの姿勢は、首や肩の筋肉に負担をかけ、顎関節症のリスクを高めるとされています。正しい姿勢を意識することで、首や肩への負担が軽減され、顎関節症を予防できるかもしれません。
特に、スマートフォンを使用する際は、姿勢が悪くならないよう工夫しましょう。さらに、こまめに休憩を取り、首や肩の筋肉をストレッチすることも重要です。
ストレスを溜めない工夫をする
心身のストレスが溜まると、無意識に歯を食いしばることがあり、顎関節に負担を与えます。そのため、日頃からストレスを溜め込まない工夫をすることが大切です。
例えば、趣味を楽しんだり運動をしたり、友達と話をしたりすることは有効な方法の一つです。慢性的にストレスを抱えている方は、ストレスの対処方法を見つけることから始めてみましょう。
歯ぎしり・食いしばりへの対策をする
無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしていると、顎関節症の発症リスクが高まります。就寝時の歯ぎしり対策として有効なのが、マウスピースの装着です。マウスピースを装着することで、歯への負担を軽減し、顎関節への衝撃をやわらげられます。
食生活を見直す
硬い食べ物を無理に噛んだり、ガムや飴を噛んだりすると、顎関節に過剰な負担がかかることがあります。ナッツ類やせんべいなど硬くて咀嚼に力が必要な食品は、食べ方に注意が必要です。
小さくしてから口に入れるなど、顎に負担がかかりづらいように意識しましょう。また、食事の際は片側で噛むクセを避け、両側で均等に噛むように意識することも大切です。
まとめ

顎関節症は、顎関節に起こる痛みや違和感などの症状のことです。顎関節症を放置すると症状が悪化し慢性化するほか、全身に影響を及ぼす可能性があります。
顎を動かすときに痛みや違和感がある場合は、放置せずに歯科医院を受診しましょう。
顎関節症の治療を検討されている方は、品川区大崎、JR「大崎駅」南改札より徒歩5分にある歯医者「いばた歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、丁寧なカウンセリングを重視しており、生涯を見据えた歯科治療を提供しています。当院の診療案内ページはこちら、お電話による予約も受け付けております。







